本日のカウンセリング

【第20話】 切らないから安心? (2017/12/15)


今回は、1年前に他院で小鼻縮小の手術を受けられたという患者さんの事例です。
どうやら「糸で寄せるだけで簡単に小鼻縮小ができる」、「切らないから安心です」という説明を聞き、つい軽い気持ちで施術を受けられたそうです。ところが、以来、鼻下の引きつりと、笑った時に口元が上がりにくい等の違和感に悩まれておられました。
術後数ヶ月が経過しても症状が一向に改善しない為、抜去を希望されたそうなのですが、「出来ない」と断られ、半ば諦めてこられたそうです。ですが周りの人の何気ない言葉がきっかけで、更に口元が気になりだし、次は違うクリニックで診てもらおうと思い今に至るそうです。
セカンドオピニオンとして当院の前に別のクリニックで受診されたそうなのですが、そちらでは「切らずに糸だけを抜くのは難しい。どうせなら切って小鼻縮小をしたら?」と勧められたそうです。 「切らずに簡単で安心」だったはずの手術で、ずっと悩まされていたこの方には少々受け入れがたい内容だったと思います。 結局、そちらでは決断せずに、当院にご来院されました。
以上のお話を受け、状態を診させて頂いた結果、当院では右小鼻の付け根に見える傷跡を数ミリ切らせていただき、そこから糸を抜去することは恐らく可能だという事、万が一、それが難しい場合は、糸を緩めて違和感を和らげるといった最低限のことはしますと説明させていただきました。
結果、無事に糸は抜去でき、ひきつりや違和感も改善されました。「本当に楽になりました。笑った時ちゃんと口が動きます。」と喜んでいただけ、表情も軽くなられたように見えます。
今回は受けられた手術自体にも問題があったのですが、必ずしも「切らないから」「簡単だから」安心ではありません。当然の事だとも思うのですが、意外にも受けた手術の内容を理解しておられないというケースも少なくはなく、この様な他院さんでのトラブルに関するご相談をよくうけます。
当院でも患者さんに安心して手術を受けていただく為に、十分にその内容を理解していただける様、今後も努めていかないといけないなと改めて思いました。