院長日記

第92話 患者さん選び?(後編)


他院で受けられた埋没法による二重の手術がすぐに戻った理由、二重瞼の仕組み等、出来うる限り丁寧に説明させて頂きました。そのうえで切開法であれ埋没法であれ、これ以上幅の広い二重瞼は作るべきではないし、無理がある事をお伝えしました。当然、今回行う二重の幅の打ち合わせも念入りに行ったうえで、無理の無い範囲内で幅の広い二重瞼を埋没法で行いました。
それから1週間後、
「幅が狭い」とすごい剣幕で来院され、腫れているときが良かったとごね続けます。少なくとも腫れが完全に落ち着くまで待つようにと言い聞かせましたが、1ヶ月後も同じ状況で、「もっと幅を広くしろ!」の一点張りです。再手術(全くその必要はないのですが)の費用は払いたくない、保証内の費用で再手術して欲しいと言い続けます。
今後一切の責任は負わない旨の書類を交わし、すぐに元に戻る事は重々お伝えして、本人の言うとおりの幅広の二重瞼にしました。
数ヶ月後、
手術料金を返還して欲しい、応じてもらえなければ裁判云々とのメールが届きました。
当然無視ですが。
さらに数ヶ月後、
ラインが浅くなり他院で手術を受けられたようですが、「あまりにオカしい事になっているので診て欲しい」と連絡がありました。診る義理など全くなく、ただ、あまりに必死に謝罪されるので、診る事にはしたのですが、、、
まあとんでもない幅広の二重瞼にされていて(所謂3点法と言う埋没法でしたが)、まぶたが半分程度しか開かないような状態でした。
ただ、そう簡単には埋没糸を取り除けない状態で、施術を受けた医師に戻してもらうようにとしか言いようがありませんでした。
数日後、何故か片側だけ元に戻したようで、反対側を当院で元に戻して欲しい(何を考えているのやら?)と連絡があり、当然お断りしました。
その後また「全く先生に言われたとおりでした。今度は言う事を聞くので再手術をお願い出来ませんか。」と連絡がありましたが、まだ片側はそのままのようです。
流石に当院では出入り禁止です。
開業して22年目、本当によい患者さんに恵まれてここまでやってきましたが、難儀な方も稀にはいます。