院長日記

第85話 PRPやW-PRPなどの再生治療について


他院でPRP等の治療を受けたのだけれど全く効果がなかった、思わぬところにシコリが出来た等々のご相談で来院される方がとても多いのですが、、、
当院でもこのような自己再生医療はかなり以前よりかなりの症例数行っていて、とてもよい治療方法だと理解していますし、とても患者満足度の高い治療方法なはずなのですが、、、
どうしてこのような乖離(かいり)があるのか、について、まずはこれらの治療方法の簡単な歴史をお話します。
1998年頃から、褥瘡(とこずれ)や糖尿病による潰瘍などへのPRP(多血小板血漿)の応用が始まり、2004年には、シワに対する治療が始めてこの方法で行われました。
その後しばらくしてこの治療方法に関心を持った事もあって、当時スイスだったと思いますが、この治療に必要なキット(各種グロースファクターを取り出すための)を製造しているメーカーと何度かやり取りをしたのですが(この手の分野に詳しい友人も交えて)、どうも腑に落ちない部分があり(ここでは敢えて言いませんが)、当院での治療メニューに加える事はありませんでした。
その後、上記の腑に落ちない部分が払拭された治療方法(血小板フィブリンマトリックス(PRFMと呼ばれますが))に出会い、好んでこの治療方法をお勧めしてきました(当然その適応はありますが)。
どの世界も同じようなものでしょうが、優れた治療法が発表されると、所謂コピー製品が幾つも出現し、粗悪品も多く出回ります。
現に、消費者の方には何の満足度も与えないような治療キットが出回ってもいますし、新しいもの好きの医者達(患者満足度はあまり考えない連中が多いようですが)も競ってその新しさを煽ってアピールしてもいます。
最初に書きました“治療効果の乖離(かいり)”の原因はこれが全てだと思われます。