院長日記

第71話 PIP社の豊胸用シリコンバッグのニュースから


昨年来問題となっているPIP社の豊胸用シリコンバッグですが、詳細は昨年12月22日付けのCNNのニュースを以下参照下さい。
フランス厚生省は21日、豊胸手術や乳房再建手術で埋め込まれたシリコン製のインプラントががんの原因になる恐れがあるとして、インプラント摘出手術の費用を助成すると発表した。
問題になっているのは、ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)という企業が豊胸手術に使っていたインプラント。英国の美容整形外科学会によれば、PIPは医療用に適していないマットレス用のシリコンを豊胸手術に使っていたとされる。
フランス厚生省によると、同国内でPIPのインプラント埋め込み手術を受けた女性は約3万人に上り、問題が発覚した昨年以降、これまでに523人が摘出手術を受けた。インプラントの破裂も1000件以上報告されているという。
同国は14日に医療関係者などで構成する委員会を設置してこの問題を協議。PIPのインプラント埋め込みを受けた女性に摘出を義務付けるかどうかについて、厚生当局が23日に方針を発表する。乳房再建手術を受けた患者には、新しいインプラントを埋め込むための費用も還付する。
この問題では英国の当局も20日に注意を呼びかけ、「フランスで胸部インプラント埋め込み手術を受けた女性が未分化大細胞リンパ腫と呼ばれる免疫細胞系のがんで死亡したとの報告がある」と指摘していた。
ただし英国ではインプラント摘出までは勧告せず、PIPを含むあらゆる胸部インプラントが健康に及ぼす影響について監視を続けるとしている。
このインプラントの使用者は、フランスで3万人、英国で5万人との事ですが、世界中で利用されていたようで、日本でも相当数にのぼるように思います。
当院にもこれに関する問い合わせが何件か寄せられています。
今の段階では、医療用シリコンとはどのように違うシリコン製剤だったのか、また、インプラントの破裂がどうして起こるのか等、さっぱり判りませんので何とも正確にお伝え出来ない段階です。
私の施設で、このインプラントを使用した事は一切ないのですが、どうも人事とは思えず、情報が入り次第、お伝えするようにします。

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