院長日記

第48話 困った患者さんと困った美容外科医(前半)


目の下の脂肪塊(眼窩内脂肪)による脹らみと、その下の窪み(正確には2箇所あるのですが)の改善を希望されて来院される方が増えています。目の下の脹らみとタルミの治療法についてはここでは触れませんが、目の下の窪みについて、頬骨と法令線の間に出来る窪み(下図参照)の治療が特に増えています。
法令線のくぼみ
メーラーファット(Malar Fat Pad)と呼ばれる脂肪塊が、表情筋のタルミによって下垂するために、法令線が深くなる、この部分が窪んでくる、のですが、根本的な治療法としては、ミッドフェイスリフトなどの表情筋の吊り上げ手術が必要になります。
ただ、この手術、やはり大掛かりな手術になるので、これを選択される方は非常に少ないのが現状です。
ではもっと間便に(手軽に)おこなえる方法はないのか、という事ですが、メーラーファットの下垂によっておこる窪みを改善させる目的で、この部分に御自身の脂肪を移植したり、ヒアルロン酸を注入する方法をよく行っています。
満足度の高い治療法だと思います。
さて本題はここからですが、数ヶ月ほど前、この部分にヒアルロン酸を注入した方で、非常によくなったので、更に目の下まで注入して欲しい、と言われ、その部分(目の下のタルミの改善目的では限度があるのですが)には、同じ手法では限度がある旨を詳しく説明させていただいて、それでもいいからと聞き分けのない方で、相当遠慮しながら再注入を行った例がありました。
3日ほど経過して来院されて、目の下が少し膨れて見えるので、一部取り除いて欲しいと言われました。診ると、単なる軽度の内出血の張れで(全く問題のないレベルなんだけれど)、1週間から10日もすればよくなりますよと説明するも頑として聞き入れず、仕方なく、ご本人の言われる少し張れた部分のみ取り除きました(注射器による陰圧のみで)。
取り除いたヒアルロン酸(0.3ccほどですが)をお見せして、直接鏡で見ていただいて、ご本人曰く、ちょうど良くなりました、お世話をおかけしました、との事で一見落着したと思っていました。
ところが、、、、。
(後半)に続く。