院長日記

第60話 美容外科チェーンの崩壊?


元来美容外科クリニックの経営には広告宣伝が不可欠で(評判などの口コミが全く伝わらなかったので)、それ故、競うように多額の広告宣伝費をかけながら、クリニックの数を増やす事で、その広告費負担を減らす目的で、この十数年来、多くの美容外科チェーンが出現しました。
質の問題はともかく、美容外科のパイが増え続けている間はそれでなんとか成り立ってきたのでしょうが、昨今の急速な新規参入による需給バランスの崩壊と、昨年からの不景気によって、それはもう酷い状況になっているようです。
名前を出す事は出来ませんが、詐欺まがいの行為を行っている施設は事実幾つもありましたし、でもなかなか淘汰されないものだなあと思っていたのですが、いよいよ本当の意味で、淘汰が始まってきたように感じています。
美容外科医の仕事って、労働集約型の典型のようなものだし、医師の技量の均一化なんてそう出来ることではないので、その質を問うとなると、チェーン化はどうしても無理があります。チェーン内の各クリニックどうしを、徹底して月の売上げを競わせる事に血眼で、患者満足度など全く気にも留めない(訴訟なんて屁でもない)ようなチェーンクリニックは事実存在します。目先の経営面だけで言えば、これはこれで成り立つのかも知れませんが、でもいよいよこういうのも雲行きが怪しくなってきているようです。
極端なディスカウントに走っているチェーン施設や、やけに信頼とか実績とか全国何院の安心などと一生懸命唱っているような施設は、かなり要注意だと思いますよ。